『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』ドラマアニメのすべて

 京都アニメーションとは、有り体に言えば、とても優れた、唯一無二のドラマアニメの演出屋だ。
 京アニのアクションとエフェクトが織りなす作風は、沖浦井上吉成たちが描くような一般的に言われる「作画アニメ」とは別に位置する。
アクションも派手なエフェクトも無い今作「ヴァイエヴァ外伝」では、非常に落ち着いた、ヒューマンドラマ映画的作風が展開される。
 全てが報われるクライマックスのシーンまで、広角とアイレベルのミドルショットでフラットに撮られた映像には、あざとい意図の押し付けはない(煽りも俯瞰も白々しい顔のアップも、パンの多用も極めて限定的だ)。しかし、矢継ぎ側に変わるカットと、培われた演出力に裏打ちされたカメラワークは、確かな発想力を持って新鮮な映像を観客に提示される。
 それを支えた、編集とレイアウトの緩急、見事なヨーロッパ的背景美術と、色彩と、撮影は、これまでにない高級感と映像の説得力を発揮している。派手なフォーカスやフレアも露出操作もない作風で、ここまで見せられるのは、まさにフランス映画チックなドラマアニメへの挑戦として、見事な成功を収めている言っても過言ではない。
 ドラマ映画の良さと、アニメの良さをいいとこ取りした本作は、かつてない成功を収めていた。


 個人的に気に入った演出は、ヴァイオレットちゃんの義手の音の「意味」が優しいものへと変わっていくところだ。

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