年刊「音楽と僕」2020年号 その2 今年僕が個人的に聴いてきた邦楽アルバム 上半期編

 1月。元旦からナッシングスの超希望に溢れたこの曲や



2月にはTHE1975の明るいネオアコ(タイトルも良い)が発表されて、「20年代」が始まる
んだなぁと感慨深かった。


  しかしコロナ発生で、一時期 僕は音楽を楽しめなくなってしまった。

2020年3月以前の音楽が全てコロナ以降以前で隔絶され、古いものだと思ってしまった。

僕は社会派のブルーハーブやイースタンユースの新譜に期待して、聴き込んでたが、どっちもパッとしないものだった。

時の歩みは止まらない。時の歩みは三重である。未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永久に静かに立っている。――――「20年代の想像力」が始まる。


 今は普通の感覚で音楽は楽しめてる。

ライブに行けないことだけがただただ悲しい。

ダイブ・モッシュどころか、コールすら、全てが禁止された世界なんて・・・と思うけど

やっぱりクリエイターの人たちは着実とコロナと折り合いをつけるクリエイティブをしている。

岡村ちゃんの期待の新譜は、前作のようなキラーチューンがなくてハマれなかった。

バンアパのシングルが毎月発表されるというサプライズもあった。

クリープハイプの新曲は、2曲ともベスト級のナンバーだった。

最初のEPから聴いてたペリカンファンクラブが本格的にアニソンタイアップし始めて、少し寂しくなった。

ディグって、新しく発見した良いバンドも様々あった。

音楽に順位を付けることは絶対したくない。

ここに、2020年発売の、僕がヘビロテした邦楽アルバムを並べる。

あくまで個人的な備忘録である。数年後思い出して「あーこんな歌聴いてたなぁ」と感傷に浸るときに見る個人的なものである。

去年、2010年代に心動かされたアルバムをまとめてたらキリがなかったから、今年からやる。

まずは上半期。発表順で(間違ってるかも)。



Hue's / I LOVE YOU

https://open.spotify.com/album/5Ie6fJaJ6VLpjHbddUIz9i?si=Ec2YYEA5QyOy7JIfNaKsDg

これが出た真冬の中、ちょっと家族喧嘩で家出してて、
寒くて真っ暗な夜に「アイラブユー」という歌詞に撃たれてしまった。
Hue's、やっぱりいいバンドだなぁ


BearWear / ;PS ;2222

https://open.spotify.com/artist/1vs4LphTDQKsiFwVnDGFKf?si=ECm6Cn_gSBOPpp_Vj5VJ0g

海外に太刀打ちできるミッドウエスト・エモリバイバルの日本代表。

エモ好きからすると、他にも日本を代表するバンアパもPENS+もJOUCHO大好きだけど、彼らのような真性のミッドウエストエモを演ってる邦楽は見つからない。



CRYAMY / GUIDE

https://www.youtube.com/watch?v=gZaczQLNtVU

今年はとにかくCRYAMYと後述のPKshampooの曲を聴きまくってた。

イヤホンで聴けば分かるけど、彼らのミキシングはボーカルよりもギターノイズが優先される。

それでも負けじと叫ぶカワノ氏のシャウトが、日々の不安を代弁し吹き飛ばしてくれるような、独特のカッコイイ声をもっている。

 後述のPKのヤマト氏とカワノ氏の間で何があったかは全く分からないが、後ろ向きだけど知性を感じられる彼ら二人は、新世代のsyrup16gなんじゃないかと思う。

ナ○ヲア○リで日々の溜飲を下げるより、新しい時代のノイズパンクを代表するPKとCRYAMYを聴いている方が心地良い。

いや本当もっともっと売れてほしいですわ。



PKshampoo / 新世界望遠圧縮

https://www.youtube.com/watch?v=wocb6jbRZ9Q&feature=emb_title

クリアに録音された「夜間通用口」

手書きの歌詞カード。

下半期編でも紹介するが、今のヤマトパンクス氏は、ノイズより歌詞を優先している。

インタビューで彼らのこだわりが分かる。「夜間通用口」はもう歌詞を覚えて毎日風呂場で口ずさんでしまうくらい好きだ。

10年前の、2010年代始めの「ロックンロールは鳴り止まないっ」が2010年代を象徴するアンセムなら、「夜間通用口」はまさに2020年代を象徴するアンセムになるはずだ。

この曲以外に時代を代表すると思う曲は見つからなかった。なぜもっと有名にならないんだろう。



GADORO / 1LDK

https://open.spotify.com/album/29n1fiytHfALbHniwLJrA5?si=Ro4l_vs6S4Kymmu8w2U5Xw
今までもだが、今年もGADOROは僕みたいな弱者を代表してくれる存在になってくれた。

「ありのままでいこう」はもう全部がパンチライン。本物のレベルミュージックだ。

“気が変わってお前が生きるっていうなら今日は俺の奢りだ”

弱者の心を温めてくれるパンチライン。

ダンジョンから、GADOROがシーンに現れてくれて本当に良かった。

俺は救いを求めたいときにGADOROの音源をすぐに聴く。

あと、GADOROって引用の引き出しが知的なんだよね。

“人生は地獄より地獄”

“やらなかった後悔は徐々に大きくなる”

“人のためと書いて偽りと読む”

GADORO本人の言葉じゃないにせよ、どこから引用してきたんだ?と言いたくなる。

GADOROは頭が良い。

そして、こんだけ売れまくってるのにGADOROは普遍に弱者目線でラップしてくれる。

上から目線ではなく『四畳半』以降からずっと若手目線のままリアルなラップができる。

本人も言ってる通りこのアルバムが最高傑作なのかもしれない。

どんなに、苦しくて悲しいメンタルになっても、俺はGADOROだけがリアルだと思う。

 余談。今のブルーハーブがGADOROや般若のようなリリックを歌ってほしかった。

TOTALや愛別が弱者を鼓舞するレベルミュージックだったのに対して、今のTBHは身内のラップに終始してしまってる。

今年出た「ING/これから」で、TBHは『次のフェーズに入った』と宣言していたが、GADORO、般若みたいに弱者に手を差し伸べる音源を出してくれるのだろうか。


VANILLA.6 / VANILLA.6

https://open.spotify.com/album/4sw0aHQgspixTxGQEbjab7?si=aZ9OKM-FRVGUsnam6MWPWQ

今年知った。シティポップスとは違う80年代ニューウェイブ・シューゲイズへのアプローチ。それと同時にゼロ年代や2010年代のポップスの踏襲の技法。こんな音聴いたことがなかった。驚かされた。



https://open.spotify.com/artist/1MO12qhMVfYFofR1oZTs5m?si=TQazmYSuRGeHCvKKkRIpTg

今年見つけた新人バンドで一番チョーかっこいい売れてほしいバンドがこの人たち。

サウンドもフロウも俺好みすぎて、もっとでっかいバンドに絶対なってほしい。

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